町政執行方針

令和2年度町政執行方針

町政に臨む基本姿勢

 はじめに、令和2年第2回広尾町議会定例会の開会にのぞみ、
4期目の町政を担うに当たり、本年度の町政運営の所信を申し述べ、議員の皆様、町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 私は、平成20年4月の町長就任以来、これまで3期12年間、「地域の自立と豊かな暮らし」の実現をめざし、町民の皆様や議員の皆様のご指導を頂き、多くの課題解決に全力を上げて取り組んでまいりました。
 3期目は、特に町立病院の地方独立行政法人化による改革、認定こども園の開設、学校の耐震改修の完了、介護・福祉の充実、行財政改革の実施等、厳しい社会経済状況の中で町政を前進できたのも皆様のご理解とご支援の賜物であります。
 4期目に向けまして、寄せられた信頼と期待に応えるべく一層の努力をしてまいります。
 
 今日の重要課題は人口減少問題に直面していることであります。
人口は、過去50年で半減し、今後25年でさらに約半減する予測がされ、減少率が加速しています。人口減少を緩やかにするためには、あらゆる施策に意識を持って取り組み、成果を上げることが重要であり、広尾町の地方創生に繋がっていくことになります。
 もう一つの重要課題は、減災・防災、そして新型コロナウイルス感染拡大など不測事態への危機管理対策です。
 近年、全国で想像を超える災害が発生しており、今後、高い確率で千島海溝地震が発生し、26mを超える津波が予測されています。
 また、新型コロナウイルスは、世界中に感染が拡大し、いまだに予断を許さない状況が続き、我々の命が脅かされています。
国は、新型インフルエンザ特措法に基づく緊急事態宣言を全国に発出し、北海道は特定警戒地域とされ、住民活動の自粛や経済活動の休業要請等により地域経済と町民の暮らしに極めて深刻な状況が出ています。緊急事態宣言は解除されましたが、再び流行の波が来ることを念頭に感染予防対策を進め、社会経済活動の再開を両立していかなければなりません。大きな影響を受けている商工事業者の事業継続、雇用確保、さらに漁業者、農業者に対しても振興策を図ってまいります。
 この他にも、産業振興、港湾・商工振興、高規格幹線道路の延伸、福祉・医療、教育、健全な財政運営など課題は山積しています。
 これらの課題に懸命に向き合い「活力ある安心なまちづくり」を強力に進め、次世代に夢あふれる町として引きつぐために全力を尽くしてまいります。

1.活力が湧き出るまち

(1)水産業の振興

 本町の基幹産業である漁業を取り巻く情勢は、秋サケをはじめとする主要魚種の大幅な減産や魚価の低迷等による漁業経営の悪化、担い手の減少、高齢化の進行等により、依然として厳しい状況となっております。
 国は、適切な資源管理と成長産業化のため、資源管理措置並びに漁業許可及び免許制度等の基本制度を見直す新たな施策を進めようとしており、関係法令が適切に運用されるよう北海道や関係機関と連携して取り組んでまいります。
 増養殖事業については、前浜資源の早期回復と安定化を図るため、環境に合わせた適切な管理を行うべく、漁業協同組合や関係機関と連携を密に進めてまいります。
 コンブについては、コンブ漁場の機能維持と資源回復のため、雑海藻の駆除を国の水産多面的機能発揮対策事業により継続実施するとともに、町としても拡充支援してまいります。
 
 また、サケのふ化放流やウニなどの安定増大に向けた事業や販路拡大の取組みを支援してまいります。
 マツカワについては、北海道栽培漁業振興公社から5万尾を購入し、飼育・放流事業を管内4町3漁協の広域連携により、引き続き進めてまいります。
 
 漁業金融支援については、漁業経営の安定を図るため、漁業近代化資金をはじめ各資金の利子補給等を継続実施してまいります。   
 さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大により水産物の価格低下などの影響を受けている漁業者に対し、新たな活力資金の借り入れに対する利子補給や必要な漁業振興策について、漁業協同組合と協議を進め支援してまいります。

(2)農業の振興

 一昨年の暮れ以降、大型自由貿易協定が相次ぎ発効され、関税の段階的削減や輸入枠の拡大により、国産農畜産物の価格低下など、農業及び関連産業を含めた地域経済への影響が懸念されます。国は、経営安定対策等の実現予算として3,250億円を2019年度補正予算で措置しましたが、まず、その対策が着実に実施されるよう、引き続き関係団体等と連携し、国に対して丁寧な情報提供を求めてまいります。
 
 本町の農業は、地域経済を支える重要な産業基盤として大きな役割を果たし、ここ数年来、酪農・畜産情勢は、乳価の上昇や個体価格の高値安定が継続し、農業生産額や生乳生産量は、堅調に伸びてまいりました。
 しかしいま、コロナ禍の牛乳・乳製品や肉用牛は、急速な需要構造の変化で、数か月前には想像できなかった事態が予測されます。
あらゆる状況、動向を注視し、現場の影響に対応しながら、収束後に、速やかな経済回復を実現させるため、地域農業や農政の在り方をしっかり議論し、その振興活性化を図ってまいります。
 将来の広尾農業を支える多様な経営体の育成への取組みでありますが、担い手の確保及び後継者対策は喫緊の課題であり、幅広い層からの挑戦を後押しする環境の整備に取り組んでまいります。
 また、小規模な酪農家に、経営を維持し続けてもらうことが本町の幸せにつながるとの考えの下、次世代へつなぐ農業支援の新たな制度設計に、農協はじめ生産現場と連携して取り組んでまいります。
 
 さらに、多様な農業生産と魅力ある農村環境の確立をめざし、畜産クラスター事業をはじめとする諸制度の活用により、生産基盤の整備や経営の合理化など、持続性のある足腰の強い農業の実現をめざしてまいります。
 
 家畜ふん尿処理に関しては、農協営によるバイオガスプラント導入の可能性について、引き続き、十勝バイオガス関連事業推進協議会における調査研究や国、電力会社等への要請活動の取組みを進めるなど、資源循環型農業の促進に努めてまいります。
 
 家畜伝染病対策については、家畜自衛防疫推進協議会を中心に関係機関・団体と連携し、感染防止に向けた迅速な取組みを進めます。牛のヨーネ病については、今後も一層の清浄化に努めてまいります。

(3)林業の振興

 地球温暖化防止や水資源の涵養、大気の浄化など、公益的な機能を有する森林の役割がますます重要となっていることから、引き続き、道や森林組合と連携し、森林の適正かつ計画的な維持管理を図るとともに、国・道の事業を活用し、植えて・育てて・利用して・また植える・という森林資源の循環利用を推進してまいります。
 
 また「広尾町地域材利用推進方針」に基づき、地元の木材を地元で使う「地材地消」の促進に努めるとともに、森林認証制度や木材の加工、乾燥技術など、本町の林産資源を活用した製品供給基地化に向けた取組みを、事業体の皆さんと推進してまいります。
 
 一方、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、主力であるカラマツ等の原木の行き場が滞留するといった事態が起こっており、森林整備事業の大幅な減少で影響を受ける林業事業者の事業活動や生産体制の継続を後押しするため、森林組合と協議を進めてまいります。
 このほか、本年度から森林環境譲与税が増額される見通しであり、「森林環境譲与税の活用に向けた基本方針」に沿った町独自事業の検討を加速し、森林環境の整備を進めてまいります。

(4)十勝港の利活用

 重要港湾「十勝港」は、日本有数の食糧基地を背後圏に持ち、農業をはじめとした流通拠点港として、また、漁業水産基地として、その役割は非常に大きなものとなっています。昨年の貿易額は、150億1,400万円と9年連続で100億円を上回るとともに、入港隻数は86隻と過去最高を記録し、地域産業の発展に大きく寄与しております。
 本年1月には、管内農業関係者や商工会、経済関係者、荷役運送等物流関係者の皆さんを対象に、物流拠点としての十勝港の役割を考える「十勝港ポートセミナー」を開催し、農産物の安定供給や輸送コストの低減などの様々なメリットや十勝港の優位性について、あらためて知っていただく機会となりました。
 今後も飼料コンビナート関連企業や農業関連企業等の誘致に取り組むとともに、物流拠点港としての新たな定期航路開設に向けた取組みやクルーズ船の寄港など、十勝港港湾振興会と連携しながら、港の利活用の促進に向けた取組みを展開してまいります。
 また、港湾施設の安全利用については、維持管理計画に基づく点検診断を実施してまいります。

(5)商工業の振興

 昨年10月に消費税が増税され、今後の景気への影響など不透明感がぬぐえない状況にある中、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響や消費人口の減少による売り上げの伸び悩み、人口減に伴う働き手の不足、さらには経営者自身の後継者不在等により廃業を選択せざるを得ないなど、引き続き厳しい経営環境にあります。
 商工業の振興については、中小企業の経営の近代化を促進するため、以前より取り組んでいる町融資制度の利子補給や保証料の補てんを引き続き実施するなど、支援してまいります。
 
 また、緊急経済対策の一環として実施してきた住宅リフォーム支援事業については、町内経済の好循環や消費拡大が図られるよう継続して実施してまいります。
 
 さらには、新型コロナウイルス感染予防対策などにより影響を受ける中小企業に対し、効果的な支援が図られるよう今後も情報収集に努め、適切に対応してまいります。
 そのほか、商工会が取り組む経営改善普及事業や地域振興事業に対する支援を継続してまいります。
 
 「ふるさと納税」については、総務省通知に基づく適正な制度運用につとめ、地域経済の活性化を促進させるよう各事業者と情報を共有しながら連携して進めてまいります。

(6)観光振興とサンタランド

 観光振興については、広尾町観光協会をはじめ十勝観光連盟、四町広域宣伝協議会、日高東部・十勝南部広域連携推進協議会と地域間連携を強化させ、各地域の長所を活かした広域観光を推進してまいります。
 交通アクセスの向上等などにより、十勝圏域における観光客の増加が期待できる環境が整う中、さらなる交流人口の拡大をめざし、町内イベントの充実、海産物をはじめとする特産品のPR活動、バスツアー誘致に向けた取組みなどを強化し、賑わい拠点づくりをめざしてまいります。
 
 ししゃもをはじめとする特産品の魅力発信事業については、スタンプラリーやフェアの定期的開催など観光協会と連携し、さらなる向上を図ってまいります。
 
 新型コロナウイルス感染拡大の影響に考慮し、つつじまつり及び十勝港花火大会を中止としましたが、今後予定されているイベントについては、より多くの方々に楽しんでいただけるよう関係機関と連携して進めてまいります。
 日高山脈襟裳国定公園の国立化については、早期指定に向け、町民意識の醸成向上活動を実施するとともに、関係機関と連携した要請活動を行ってまいります。
 
 サンタランド事業については、引き続き大丸山森林公園を中心にイルミネーションの充実を図るとともに、花畑整備など一層魅力あるサンタランドとしての景観づくりを進め、通年で観光客を誘導できるようさまざまな情報媒体の活用により、情報発信をしてまいります。
 
 広尾サンタランドの理念「愛と平和 感謝と奉仕」を実践するため、その核となるサンタメールを充実させるとともに「子供の夢を応援するプロジェクト」を協力企業や地域を交えて進め、継続実施してまいります。
 
 また、北海道観光振興機構の補助を活用し、「ひろおサンタプロジェクト推進協議会」を組織させ、地域の魅力を活かした観光地づくりを進めてまいります。

2.幸せを感じるまち

(1)高齢者、障がい者福祉と介護サービス

 高齢者福祉や障がい者福祉の制度ごとの縦割りや、「支え手」「受け手」という関係を超えて、町民や地域の多様な機関が「我がごと」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を越えて「丸ごと」繋がることで、町民一人ひとりの暮らしと生きがいを創る「地域共生社会」の推進が、より一層重要となっております。
 
 医療や介護が必要となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の充実を図ってまいります。
 
 コミュニティソーシャルワーカーを継続して配置し、地域の困りごとへの対応や、支え合いなどの支援体制の充実を図り、地域福祉を推進してまいります。
 
 避難行動要支援者の円滑かつ安全な避難を確保するため、要支援者に関する情報収集や、データの更新を継続して実施し、関係機関への情報提供と避難支援体制の整備を進めてまいります。
 
 NPO法人「のーまひろお」が運営する多機能型事業所「ゆうゆう舎」の新築移転に対し財政的支援を行い、障がい者の就労や地域交流をサポートするなど、障がい者が社会の一員として尊重され、自らの意思に基づき地域の社会活動に参加し、自立して暮らせるよう、さらなる障がい者福祉の向上に努めてまいります。
 
 高齢化が進む中、地域で運営している「いきいき百歳体操」の普及や介護予防事業を継続し、主体的に介護予防に取り組む高齢者の増加をめざします。さらに、保健と介護の一体化の推進とリハビリ等の専門職との協働により、心身の活動機能の低下により要介護状態に近づく「フレイル」の予防と重度化防止に努めてまいります。
 
 また、「地域づくりから育つ ひろおの支え合い」を目標に、交流サロン活動のほか、様々な担い手や地域で見守り支え合う生活支援体制を構築します。買い物に困難をきたしている高齢者の方には、自宅に居ながら生活に必要な物を入手できるよう、「宅配便利帳」を整備し、活用の推進に努めてまいります。
 
 さらに、高齢者の方が適切な医療・介護サービスを安心して受けられるよう、相談支援体制の充実と多職種協働による医療・介護連携の推進に努めてまいります。
 
 今後も増加が見込まれる認知症に関しては、認知症サポーター養成講座の開催や、認知症の方やその家族が気軽に参加できる「認知症カフェ」の充実を図り、認知症になっても希望を持って日常生活を送ることができるよう、取組みを進めてまいります。
 
 継続した介護サービスの提供が行えるよう、サービスの担い手を育成するために介護職員初任者研修を開催し、介護人材の確保に向けた取組みを進めてまいります。
 
 養護老人ホームと特別養護老人ホームの運営については、入所者が安心し自立した生活を送るために、入所者の自主的な活動を支援する体制を確立し、入所者が生きがいを持ち、日々穏やかな生活をおくれるよう、地域住民やボランティアの協力をいただきながら、引き続き入所者の介護ニーズを尊重した施設サービスの創意工夫・充実に努めてまいります。
 本年度から給食調理業務を民間委託し、安全でかつ効率的、継続的に個々の状態に応じた適切な食事提供を行い、食事が入所者の楽しみとなるよう取り組んでまいります。
 また、施設の整備・維持を図るとともに災害時等の危機管理体制を確立してまいります。

(2)子育て支援

 少子化、核家族化が進行している中で、少しでも子どもを生み育てやすい環境をつくるため、本年度からスタートした第2期子ども子育て支援事業計画に基づき、子育て支援のニーズにあわせた施策の推進に取り組んでまいります。
 
 妊娠期から成人になるまで切れ目のない支援が受けられるよう、子育てに関しての総合的な相談・支援を行うため、昨年「子育て支援室」を創設しましたが、更に専門的な窓口となるよう努めてまいります。
 
 保育園・保育所の3歳以上の保育料及び副食費の無償化等により、経済的負担軽減を継続して実施し、子どもの成長に応じた教育・保育を行ってまいります。
 少子化対策として、安心して出産するために、妊婦健診費用の助成に合わせて、通院費や産後の母子健診費の助成を継続してまいります。
 特定不妊治療費及び不育症治療費の助成を行い、経済的負担の軽減を図り少子化対策に努めてまいります。
 
 乳幼児などの疾病の早期診断、治療の推進及び子育て世帯の負担軽減を図るため、中学生までの医療費助成を継続し、子育て支援、人口減少対策としての定住促進を図り、子どもたちの保健・医療と福祉の増進を図ってまいります。

(3)健康づくり

 町民の健康を保持増進するため、健康教育、健康相談、家庭訪問などを積極的に実施してまいります。
 食生活サポーターの育成を継続し、地産地消の普及とともに 「食で元気なまちづくり」をめざしてまいります。
 歯と口の健康を守るために、口腔ケア事業を実施し、子どもから高齢者まで一貫した支援をすることで、生活習慣病予防につながる取組みを進めてまいります。
 今年度も引き続き風しんまん延予防のため、無料で風しん抗体検査及び予防接種が受けられる体制をつくります。
 
 新型コロナウイルスの感染予防に向けた、町民への情報提供として、正しい手洗い方法や咳エチケットのための手作りマスクの作り方、家庭での消毒方法を広報紙などで周知し、予防と感染拡大を防ぎ、安心して過ごせるように支援してまいります。

(4)医療体制

 広尾町国民健康保険病院は、安定的な医療の提供と経営の改善を図るため、平成31年4月に地方独立行政法人へ移行しました。
 中期目標に定めた診療体制や専門外来の充実を図るとともに、今ある入院病床を維持し、夜間・休日を含む24時間・365日、救急患者に対応できる地域の中核医療機関として、住民の生命と健康を守ってまいります。
 
 今後、療養されている方々への対応を国保病院と関係機関が連携を図りながら強化し、安心して生活してもらえる医療介護連携システムを推進するよう努めてまいります。
 診療体制や専門外来の充実により昨年度の患者数・医業収益は中期計画の目標値を上回る結果となったところです。
 疾病を検診などにより早期に発見し、早期に治療を行い疾病の重症化を予防する二次予防医療体制を整備するため、本年度MRIを導入し、引き続き町民への安心・安全な医療提供の充実を図ってまいります。

(5)国民健康保険・後期高齢者医療

 国民健康保険は、北海道が財政運営の責任主体として、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等、国保運営に中心的な役割を担っています。本町は地域住民と身近な関係のもと、保険給付・保健事業等、地域におけるきめ細かい事業を行い、地域医療の確保と町民の健康の増進に努めてまいります。あわせて、国民健康保険税の収納率向上に努めてまいります。
 
 また、第3期特定健康診査等実施計画に基づき、メタボリックシンドロームに着目し、「特定健診」を実施するとともに、個々の生活スタイルに応じた特定保健指導を実施し、生活習慣病予防及び疾患の重症化予防に取り組んでまいります。
 
 後期高齢者医療については、社会保障制度を巡る動向に十分留意しながら、高齢者が安心して必要な医療を受けられるよう、北海道後期高齢者医療広域連合と連携を図り、円滑な制度の運用と適正な執行に努めてまいります。

3.いきいきと輝くまち

 今後、人口減少が加速すると見込まれることから、生活・経済圏の維持・確保や生産性の向上などに取り組み、人口減少に適応した地域をつくる必要があります。
 
 人口減少に伴う課題の解決に向け、まち・ひと・しごとづくりを切れ目なく推進するため、本年2月に策定した第2期「広尾町総合戦略」で掲げている4つの政策分野について、関係団体等と連携を図りながら、様々な施策を推進してまいります。
 地方創生を推進するため、ふるさと納税や企業・都市部からの支援を得ることができる魅力あるまちづくりを進めてまいります。
 移住定住対策は、新型コロナウイルス感染防止のため、移住体験住宅への受入れは当面の間、中止しますが、次年度以降の交流人口、関係人口の拡大策を関係機関と連携を図りながら進めてまいります。
 
 地域間交流が関係人口の拡大に大きく寄与することから、従来行っている交流を継続するとともに、新たに十勝全域で取り組む東京都台東区・墨田区との交流を行い、関係人口の更なる拡大と、まちの賑わいの創出に努めてまいります。
 
 子どもたちが、よりよい社会と幸福な人生の創り手となるよう、「生きる力」を育むことが重要であります。
 そのためには、「何のために学ぶのか」という意義を共有し、「社会に開かれた教育課程」を実現していかなければなりません。
 昨年スタートした、コミュニティ・スクールについては、各学校の運営協議会による熟議を重ね、学校と地域が目標を共有し、地域の子どもを地域で育ててまいります。
また、地域住民と学校の連携協力体制の整備のため「広尾っ子応援団本部」を充実し、学校を拠点とした地域づくりを進めてまいります。
 さらに、町民一人ひとりが活躍していくため、生涯にわたって、あらゆる機会や場において学び続けていくことができ、生きがいのある豊かな人生を送ることができる環境づくりのため、生涯学習推進体制の充実を図ってまいります。
 
 児童生徒の学習・生活の場でもあり、地域コミュニティの拠点である学校施設については、各施設の長寿命化計画を策定し、よりよい学習環境を整備してまいります。
今後も教育政策推進のため、基盤整備に取り組んでまいります。
 
 広尾高校の存続に向けては、支援策などをPRするチラシやポスターを町内、南十勝各町村、帯広市南部や日高方面へ配布するなど、魅力を広く発信してまいります。
 下宿費や遠距離通学費助成、スクールバスの運行などの周知や部活動などの外部講師配置とあわせて、「広尾高等学校存続対策協議会」とし、町民一丸となって取り組んでまいります。

4.安心して暮らせるまち

(1)町民の安全・安心

 本町の社会状況や地域特性を背景とした自然災害等に対する脆弱さを克服し、町民の生命・財産を守り、本町の持続的な成長につながる強靭化を進める必要があります。
 災害時における非常用物資の備蓄は喫緊の課題となっており、円滑な物資の提供を行うことにより被害の抑制を図る必要があります。食糧や生活必需品、防災資機材などの必要な物資を避難所等に提供できる環境を整えるとともに、避難所における集団感染防止対策の検討を進めてまいります。
 また、災害ボランティアセンター設置・運営マニュアルの作成を関係機関と連携して進めてまいります。
 
 本年は、地域の防災体制の確立と町民の防災意識の高揚を図るため、防災訓練と避難所で起きうる様々な事象のシミュレーションを体験して、相互の連携協力の醸成を高めるとともに、引き続き自主防災組織の設立や育成支援を進め、自助・共助・公助の体制を整えてまいります。
 
 台風などの大雨による流木等の海岸漂着物対策を確実に推進することを引き続き、国や北海道に要請してまいります。
 
 町民が日常生活を送るうえで安全と安心を享受するためには、交通安全や犯罪などに対する備えは欠くことができません。
 交通安全については、交通事故撲滅をめざし、「デイライト運動」の普及に努め、幼児から高齢者まで各世代に即した交通安全啓発をはじめとした活動を関係機関、団体等との連携を図り、より一層の交通事故防止に努めてまいります。
 
 防犯については、安全で安心して暮らせる町をめざし、警察署と連携した町民への必要な情報提供、町内会や関係機関との連携した防犯対策などに取り組み、安全・安心なまちづくりに努めてまいります。
 
 消防に関しましては、消防団活動への支援及び消防団員の確保に努めるとともに、消防施設の管理・補修、拠点施設の設備整備を実施し、消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図ってまいります。

(2)循環型社会に対応した環境衛生

 環境衛生対策については、町民の理解と協力を得て、ごみの減量化と資源リサイクルを推進するとともに、資源循環型社会の実現に向けて取り組んでまいります。  
 また、ごみの不法投棄対策やペットの適切な飼育管理については、関係機関・団体等と連携を強化し町民意識の高揚を図り、清潔で住みよいまちづくりに努めてまいります。
 
 空き家対策については、町民の安全で安心な住環境を確保するため、町内にある危険な空き家等の取り壊しに対し、助成を行ってまいります。
 また、適切な管理が行われていない空き家等については、個別の状況・事情を把握し指導・助言等を行い、生活環境の保全を図るための措置と空き家等の利活用の促進に努めてまいります。

(3)消費者保護対策

 消費生活に関わる問題は多様化・複雑化しており、高齢者等を狙った特殊詐欺などの犯罪が増加傾向にあります。
 町民が自主対策意識を高め、安心安全な消費生活ができるよう、町広報紙や防災行政無線などを活用し、注意喚起を行います。また、消費者トラブルから町民を守るために消費者対策パンフレットの配布、消費者相談窓口の維持や関係機関との連携により、消費者の保護や生活の安定に努めてまいります。

(4)快適な道路と住宅環境

 町道の維持補修や道路整備については、生活環境の向上を図るため、計画的に実施してまいります。
 除雪については、町民の生活に支障のないよう迅速丁寧かつ効率的な除雪に努めてまいります。
 公営住宅については、適切な維持管理を実施し、住宅環境の保全・充実に努めてまいります。

(5)上下水道の整備

 上水道事業については、老朽配水管の計画的な整備・改良を実施するため、管網整備計画に基づき、水道施設の適正な維持更新に努めるとともに、水道水の安定供給に一層努めてまいります。
 簡易水道事業及び簡易給水事業については、老朽化した水道設備の計画的な整備と更新を引き続き実施し、水道施設の効率的な維持管理に一層努めてまいります。
 
 公共下水道事業については、終末処理場のストックマネジメント計画に基づき、機械設備の計画的な更新・改修を進めてまいります。
 
 個別排水処理施設整備事業については、下水道未整備地域における生活環境改善のため、合併処理浄化槽の普及に取り組んでまいります。

(6)バス路線の維持

 近年、「帯広・広尾間」については、利用者の減少に加え、国の補助制度の見直しに伴い、沿線自治体の費用負担が増加しております。昨年実施しました乗降調査をもとに、利用者へのアンケート調査を行い、バス利用者の増加対策及び沿線市町村の費用負担の軽減策を沿線市町村で構成する協議会において、協議してまいります。
 単年度の委託業務契約により運行しています「広尾・庶野間」については、地域住民の利用状況から来年度以降の運行の方向性を本年度中に判断したいと考えています。
 
 札幌市と直結する都市間バス「高速ひろおサンタ号」については、町民にとっての必要性が大きく、更なる利用者の増加を図り、路線の維持に努めてまいります。

(7)高規格幹線道路の整備促進

 高規格幹線道路帯広・広尾自動車道「大樹・広尾間」については、広尾市街までの全線新設が認められ、 忠類大樹・豊似間の工事が進んでいます。今後も期成会を中心にあらゆる機会を通して、豊似・広尾間の新規事業化と、一日も早い全線開通をめざし、要請活動を行ってまいります。

5.みんなで創るまち

(1)協働のまちづくり・将来を担うひとづくり

 協働のまちづくりを進めるうえで、地域コミュニティ活動の中核である町内会活動などの活性化が求められております。
 それぞれの地域が持つ特性や特色を活かして、地域の課題を地域のみんなの力で解決できる組織の育成が必要であります。
 町民と行政の間で情報交流がしやすいように様々な機会を設置し、町民の意見や要望を活かしたまちづくりを進めてまいります。
 
 令和3年度からスタートする「第6次広尾町まちづくり推進総合計画」の策定にあたっては、町民皆さんの考え方や意見を反映させ、行政、町民、地域団体、事業者等が共有すべき目標の実現のために、それぞれが担うべき責務を明確にした実効性のある計画となるよう策定作業を進めているところであります。
 
 自ら主体的にまちづくり活動に取り組む団体に財政的支援を行うなど、まちづくりへの町民参加をより一層推進してまいります。
 この3月に更新されたウェブサイトでは災害情報など緊急情報をタイムリーに、また、SNSと連携した情報入手が可能になり、町民が必要とする情報の発信に努めてまいります。
 
 ウェブサイトと合わせて、読みやすく、わかりやすい広報紙づくりを進め、地域の魅力から身近な情報まで幅広く発信してまいります。

(2)効率的な財政運営

 人口減少、少子高齢化が続く中、地方財政を取り巻く環境は、地方交付税の減少など依然として厳しい状況が続いております。
 このような中、本町の令和元年度末の町債残高については、全会計を合わせ、約147億円と依然として高い水準にあります。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が経済に与える影響は計り知れないものがあり、今後の財政収支の見通しは、更に厳しい状況が予想されます。
 
 本年度は、第6次まちづくり推進総合計画の策定年度であり、財政収支計画についても見直しを行います。
 引き続き第5次行政改革大綱を踏まえた行政執行による財政運営の効率化を図り、将来の世代に大きな負担を残さないよう、安定した財政の自立をめざし、健全で持続可能な財政基盤の確立に努めてまいります。

(3)広域行政

 広域的な連携の仕組みを積極的に活用し、少子高齢化や環境問題、情報化の進展といった多様化・高度化するとともに広域化する行政課題へ的確に対応してまいります。
 十勝に暮らす住民の豊かな生活の確保と更なる発展と魅力の向上を図るため、「定住自立圏の形成に関する協定書」に基づき、市町村が相互に役割分担し、自治体間連携の取組みを進めてまいります。

(4)教育委員会との連携

 総合教育会議において策定した「広尾町教育大綱」を柱に、学校教育、社会教育の充実と広尾高校存続に向け、教育委員会との更なる連携を図ってまいります。

むすび

 以上、令和2年度の町政執行に臨む私の所信を述べさせていただきました。
 
 地方自治体を取り巻く環境は、厳しさが増す一方ですが、地域課題の解決に向けて、職員共々「活力のある、町民が安心して暮らせる広尾町」を築くため、全力投球してまいります。
 
 議員の皆様並びに町民の皆様の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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広尾町役場
TEL. (01558) 2-2111