広尾町指定文化財(1)

円空仏を納めている器物。弘化3年(1846)、戸勝会所から出火した火災で戸勝明神社も類焼し、仏像は焼失を免れたが、厨子の損傷が激しかったことから場所請負人の福島屋杉浦嘉七が観音像を納める厨子を造り直したもの。

文の内容は十勝神社収蔵の「東蝦新道記」彫字板と同じ。厚岸の国泰寺七世住職真州が弘化4年(1847)に記したもの。十勝神社の彫字板は万延元年(1860)に再度彫り直したものであるので、それを13年さかのぼるものである。

安政6年、幕府が仙台藩ほか4藩に蝦夷地の警備開拓にあたらせた。その際に円山の麓に仙台藩が陣屋(小規模の城)を設けたもの。トカチ陣屋は、屯所といわれる小規模のもの。旧広尾小学校敷地内に土塁などの一部が残っている。

青森今別の始覚山本覚寺住職貞伝が大塔婆を造った際の残りをつかって造らせた小さな仏像。
蝦夷地に渡る漁師や船夫が津軽を出るとき授けられた守本尊である。

十勝神社の境内にある石造の手洗鉢。天保七年(1836)にトカチ会所の支配人喜右衛門以下、トカチ場所で働く番人一同が、蝦夷地での平安無事を祈ってトカチ明神社に奉納したもの。

十勝神社境内に一対の石灯篭がある。文の内容から慶応2年、越後糸魚川の北前船船頭、喜次郎がトカチ明神社に奉納したもの。