○広尾町有林野部分林設定条例
昭和26年8月1日
条例第21号
第1条 この条例において「町有林野」とは、町の所有に属する山林及び原野をいう。
第2条 町有林野に部分林を設定するには、この条例の定めるところによる。
第3条 町長は、造林者とその収益を分収する契約をもって町有林野に部分林を設けることができる。
第4条 部分林の樹木は、町と造林者との共有とし、その持分は収益分収の歩合によるものとする。ただし、部分林設定前から存在する樹木は町の所有とする。
第5条 部分林の存続期間は、60年をこえることができない。
第6条 部分林の収益分収の歩合は地代及び造林費を参酌して町長が定める。ただし、造林者の分収歩合は、10分の8をこえることができない。
第7条 造林者は、町長の承認がなければ、その権利を処分することができない。
第8条 造林者は、部分林の植樹、補植、手入その他造林に必要な行為をしなければならない。ただし、本文の費用については、町長において必要と認めたときは、議会の同意を得て、その費用の5割以内を町で負担することができる。
第9条 造林者は、部分林を保護する義務を負うものとし、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 火災の予防及び消防
(2) 盗伐、誤伐、侵墾その他の加害行為の予防及び防止
(3) 有害動物の予防及び駆除
(4) 境界標その他標識の保存
(5) 稚樹の保育
(6) 看守人の設置
第10条 造林者は、次の産物を採取することができる。
(1) 下草、落葉及び落枝
(2) 樹実及びきのこの類
(3) 部分林設定後天然に生育した用林不適木
(4) 植樹後20年以内に手入のため伐採する樹木
第11条 部分林設定後天然に生育した樹木にして町長の指定したものは、部分林の樹木とみなす。
第12条 部分林の収益は、その樹木の売払代金をもって分収する。ただし、町の分収すべき樹木を存置する必要があるときは材積をもって分収することができる。
2 部分林に損害を加えた第三者から賠償として得た金額は、分収歩合により分収する。
第13条 造林者が次の各号の一に該当するときは、町長は、部分林設定契約の解除をすることができる。ただし、造林者の責に帰さない事由があるとき、又は特に町長が承認したときは、この限りでない。
(1) 植樹期間の始期から1年を経過しても植樹に着手しないとき。
(2) 植樹期間内に植樹した面積が総面積の2分の1におよばないとき。
(3) 植樹を終った後5年を過ぎても成林の見込がないとき。
(4) 造林者が部分林を他の目的に使用したとき。
(5) 造林者が部分林を他人に貸付し又は使用せしめたとき。
(6) 造林者が、この条例及び部分林契約の条項に違反したとき。
(7) 造林者がその部分林に関し、罪を犯し、罰金以上の刑に処せられたとき。
第14条 町長は、前条の規定により契約解除をしたときは、部分林設定の日にさかのぼり、造林者から地代を徴収し、現存の樹木は、町の所有に帰せしめることができる。
第15条 造林者が町の分収部分に損害を与えたときは、町長はその損害の賠償を請求することができる。
第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(昭和31年条例第17号)
この条例は、昭和26年度から適用する。